Orbital Insight GOを用いた人流ヒートマップ分析
モバイルデータを用いたエリアマーケティングの重要性
私達が持つデバイスから日々、発信される GPS データを使ったモバイルマーケティングは、様々なビジネスの意思決定やマーケティング計画の立案・実行に役立ちます。
例えば、エリアビジネス開発担当者であれば、モバイルデータを使用し、既存店の売上分析や新規出店の計画をより正確に立てることができます。また、消費者は外出先でも、自身の携帯電話、タブレット、ウェアラブルデバイスなどで、特定のニーズを満たす適切なメッセージを受け取ることができます。
ジオロケーションなどの技術の進化により、組織の事業企画担当者やマーケティング担当者は、さらに効果的かつ正確に、分析やプランニングを行えるようになっています。
エリアマーケティングの課題点
GPS データを用いた分析の課題のひとつに、どの程度、細かく分析できるか、つまり距離的分解能というものが挙げられます。
例えば、すべての GPSデータの生データを地図用に可視化すると、非常に複雑で分析しにくいデータになり、かつプライバシーの問題も発生します。
代わりに利用されることが多いのが、メッシュやヒートマップを使った GPS データの可視化です。ただし、メッシュの一辺の大きさが増すと、大通りと隣り合わせる小道の人流が区別できなかったり、近隣に駅など人出が集まる場所があるとメッシュひとつの人流を大幅につり上げてしまったりと、現実の駅周辺や裏道等の人流は見えづらくなることがあります。
例えば、東京銀座のように複雑で、各道路が必ずしも東西南北に直行していないエリアで大きなメッシュ(上図は約 70m メッシュ)を使用すると、どの道路・箇所の人流かを判断するのは難しくなります。
Orbital Insight GO ヒートマップの特徴
Orbital Insight GO では、国際的な GPS データを使用し、人出の数を計測するのみならず、ヒートマップの作成も可能です。
今回は上述の東京銀座を例に、Orbital Insight GO のヒートマップの主な特徴を、以下に 3 つご紹介します。
メッシュの細かさ
Orbital Insight GO では、匿名化および集約された GPS のデータのメッシュの細かさを、最大数 100 メートルから、最小 5 メートルまで調整できます。
このため、より詳細なヒートマップ分析が可能になります。
例えば、以下は同じ東京銀座で最小 5m のヒートマップ分析の結果です。
新型コロナウィルスの感染対策導入前、2020 年 1 月 17 日、金曜日の分析結果です。人出は有楽町駅から靖国道路沿い、さらに築地駅にも集中していることがわかります。
道路単位では、やはり中央通りと昭和通りの人出が多いことも分かります。
シンプルな UI、数クリックで分析を開始
Orbital Insight GO のヒートマップ作成は、特別な GIS 技術や分析知識を必要とせず、基本的にエリアの選定、メッシュのサイズの設定と、数クリックで完了できます。
日別・時間別の分析にも対応しており、以下の都心ヒートマップの例のように、時間帯ごとの選択なども直感的でシンプルな UI により選択できます。
海外発のモバイルデータも取得
さらに Orbital Insight GO では、日本国内に加え、海外の GPS データ、滞在中の訪日観光客の GPS データも取得できます。
旅行で日本を訪れた外国人観光客の人出を分析し、インバウンドビジネスに生かす、また、以下のオーストラリア・メルボルンのヒートマップ分析のように、海外都市の市場・商圏分析に活用するといったことも可能です。
オービタルインサイト:清水邦夫
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