新型コロナウイルス下の国内サプライチェーン分析
新型コロナウイルス下でも増加する物流
新型コロナウィルス感染拡大対策の影響により様々な場所で人出が減少するなか、リモートワークや家で過ごす時間が増えているため、物流自体は大きなインパクトはないと言われています。
今回は、実際に日本の主な「空」と「海」の物流拠点を Orbital Insight GO の人流データで分析し、さらに結果からサプライチェーンを可視化してみたいと思います。
分析対象エリア
今回対象に選んだ物流拠点は下記の 2 カ所です。
2 つのエリアで人出が増加
コロナの影響が生じる前の 1 月 18 日を基準とした 7 日移動平均の人出を、2 つのエリアそれぞれの周辺と比較しました。
大井ふ頭に関しては、ゴールデンウィークやお盆休み以外では、コロナによる影響は大きくはない傾向がうかがえました。
また、羽田空港の航空貨物エリアも、羽田空港全体が 1 月と比べ 11 月現在も 60% 前後にとどまっているにもかかわらず、11 月 18 日には1 月 18 日とほぼ同水準まで回復していることが確認できます。
物流の可視化
Orbital Insight GO のサプライチェーン分析を用いて、上記 2 つの物流拠点それぞれからの主な国内の物流の流れを可視化し、違いがあるか見てみました。
大井ふ頭に届いたコンテナの多くは、東京関東圏内にほぼまんべんなく運送されていることが見て取れます。
関東以外では、北は岩手県米沢、南は名古屋を経て大阪までコンテナの運送が伸びていることが分かります。一見、内陸では群馬県前橋市周辺までにとどまり、日本海側へはさほど伸びていないようです。
一方、羽田空港からの空便の物流ルートは、同じく関東圏内にくまなく広がっているように見えますが、空便の方が、大井ふ頭のものよりもきめ細かく行きわたっている様子です。
特筆すべきは、羽田空港からの貨物は北陸にはさほど伸びておらず、内陸も群馬県前橋など北関東ではなく、山梨県甲府市から長野県佐久市へのルートが目立つことです。
Orbital Insight GO では上術のような物流拠点を基準としたサプライチェーンの可視化が可能です。ご関心のある場所・拠点(国内外の双方)がございましたら、お気軽に弊社までご連絡ください。
Orbital Insight 清水邦夫